うちの会社は良くなっているのか?悪くなっているのか?

現実の経営においては、「売上が上がり、利益率は下がり、キャッシュは増え、借入金も増え、従業員数は・・・」というように、あらゆる数字が増減します。そんな多様な数字をすべて考えたとき、「それでは結局、うちの会社は全体として、どれくらい良くなっているのか、悪くなっているのか」と判断することは、専門家はもちろん、財務担当、経営幹部、経営者でさえ難しいものです。

実際には、売上や利益の推移を元に、あとは直感と経験のみで決断されている場合が多く、無意識下では「なんだか不安だが・・・(仕方ない)」と、心中モヤモヤしたものを抱えている経営者が多いように思います。

経営の意思決定を確実に、迅速に進めるためには、そういったモヤモヤ感を晴らし、経営を「見える化」する必要があるはずです。

企業活動のさまざまな側面で、問題や異常は日常的に発生しています。重要なのはそうしたトラブルをゼロにするという無理な話ではなく、歪められたり、隠されたりせずに「見える」ようになっているかどうかです。見えていさえすれば、手の打ちようはあります。それが見えていない、あるいは隠蔽されている企業は、どうなるでしょうか。データ改ざん問題が発覚し、企業の信用力が失墜する。そういった企業の報道を目にすることも最近では多いですね。

元々「見える化」とは、現場における企業活動の様子を、目に見える形にする取り組みを指していました。カンバンやアンドン等を有効に用いたトヨタ生産方式は「見える化」の代表例です。しかし、経営者にとって重要な「見える化」とは、現場における「見える化」だけではありません。経営者の仕事は、企業の全体的な方向性を決めることだからです。

そうは言っても、「経営全体の見える化」というのは、現場の状況をスコアリングするといった業務よりずっと難しく、困難を極めます。経営は単一部署では成り立たず、全体性を持っているからです。全体性を把握するには、あらゆる数字を統合して考える必要がありそうです。

ここである企業の財務データを見てみましょう。

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売上高は横ばいのように見えますが、営業利益、経常利益、当期純利益で見ると、後半で赤字が目立ちます。売上高総利益は黒字とは言え、売上高総利益率は下落気味です。「現実は厳しいな・・・(頑張ろう)」といったことが、多くの方の判断なのではないでしょうか。ただそれだけでは、具体的な計画につながることはありません。

それではこの企業を「総合的に判断」した経営チャートを見てみましょう。

ある企業の経営チャート

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ここでは2006年から2015年までの10年間が示されています。この企業の状況は、良くなっているでしょうか?それとも、悪くなっているでしょうか・・・?

明らかに下がってきており、赤色領域に入り込もうとしています。直感的に「悪くなってきている」と判断できるはずです。さらには「なんだか問題がありそうだ・・・」という感覚を持つ方も多いでしょう。その感覚、直感こそが重要です。人は感覚で理解します。感覚で理解できないものは、全員で共有することなどできないからです。

「企業力総合評価」は、経営分析システム「SPLENDID21」を利用して算出します。具体的には過去5期分の財務諸表データと従業員数から、

  • 営業効率
  • 資本効率
  • 生産効率
  • 安全性
  • 流動性
  • 資産効率

といった主要指標を算出し、さらにこれらを統合して、チャート化したものが上の図です。

何事もまずは全体の状態、流れを捉えることが重要ですので、最も注意して見るべきは「企業力総合評価」です。これと合わせて他の指標も確認することで、会社の状態、方向性、問題を100%確実に捉えることができます。

以下は、それらをさらにA3用紙一枚にまとめた図です。

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中心にあるのが企業力総合評価を示す「経営チャート」で、周りを取り囲んでいるのが上述した6つの主要指標です。ここでは詳細まで踏み込みませんが、全体として見て、「営業力も財務力も弱くなっているのか・・・」ということさえ知ることができれば、それは、何らかの手を打とうという意識につながります。そういった意識もないままに経営戦略を立てても、多くの場合はあまり役に立ちません。まずは現実を正しく直視すること。すべての改善はそこから始まります。

 

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