企業の生産性を見える化する【生産効率】

「生産性、上がっていますか?」

最近ニュースでよく取り上げられる言葉「生産性」。日本は生産性がいまいち、海外では〜をしている、人工知能を活用せねばなどと、さまざまなお話が飛び交う昨今です。いきなり冒頭のような問いかけをされれば、とまどう方がほとんどなのではないでしょうか。

そんな生産性について、経済産業省が発行している「生産性向上のためのガイドライン」では、このように定義されています。

\( 生産性向上 = \frac{付加価値の向上、革新ビジネスの創出}{効率の向上} \)

引用元:中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン

しかしこんなことを言われても、「ではどうすればいいのか(・・・付加価値って・・・?)」という最初の時点ではたと困ってしまうことでしょう。言葉をなんとなくの感覚でとらえていては、具体的に前に進むことはできません。たとえばここで、まず数字で考えるため、以下のようにシンプルに考えてみましょう。

生産性とは、経営資源の投入と、経営成果の関係。

つまり、「生産性を高める」とは、より少ない投入量で、より多くの産出量を得ることです。会計的にみると生産性指標として、1人当たり売上高、1人当たり売上総利益、1人当たり経常利益、1人当たり付加価値額などがあります。(※以下、生産性=生産効率とします。)

ここで具体的に考えるため、ヤフー株式会社の決算情報(2002年〜2006年)を見てみましょう。

上記は売上高や利益といった「営業指標」です。これは「産出量」とも言えます。「投入量」としての「従業員数」で割ってみましょう。2002年から2006年までの従業員数(個別)はそれぞれ487人、728人、1038人、1461人、2095人です。ここでは生産性を単純に算出してみます。

これらが「生産性」です。つまり、経営資源「ヒト」をどれだけ投入して、どれだけ多くの産出量「売上」「利益」を得たのか、ということ。それぞれを詳しく見てみます(凡例をクリックすると表示ON/OFFの切り替えができます)

1人当たり営業利益で見れば右肩上がりのようですし、1人当たり経常利益は停滞しているようにも見えます。また1人当たり売上高については、2002年から2003年にかけて下落しています・・・。さて、これらをどのように判断すればよいでしょうか?当時のヤフーは、結論として、生産性が上がっていたのでしょうか?下がっていたのでしょうか?

その見方は、着眼点によって違ってくるでしょう。しかし、見る人によってフォーカスするポイントが違うということは、経営判断の迷いにもつながります。指標それぞれの上下変化が入り混じる中で、IT投資などの意思決定につなげるため、判断材料として役立てるためには、様々な要素を統合化することが必要です。そのためには統計的に各指標を重み付けし、一つの指標としてまとめます。

図は SPLENDID21 で分析した「生産性チャート」です。ここまでに挙げた「1人当たり」の指標をすべて統合し算出しています。同時期の「営業効率」は最大領域で推移しており、その一方で「経常利益増加率(成長性)」は下落しつつあります。こういった成長性の下落は、急激な業績拡大に伴う調整局面と見ることができます。結果としてこの図のように「生産効率は上昇し続けている」ことがわかりますので、1人当たり経常利益の停滞は問題になるものではないと見ることができます。

次の図にすべての会計情報を統合した「経営チャート」を示します。業績、従業員数の伸びが圧倒的ですので当然の結果のようにも思えますが、正確にすべての財務指標を統計解析した結果としても、明確に表現されます。他、流動性と安全性も良好な状態にありますので、この後の業績拡大に向けて万全の体制にあったということが、視覚的・直感的にわかるチャートですね。

人材をいかに活用して、どれだけの成果をあげているのか?「人材の活用度」を示す「生産効率」の説明は以上です。

 

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