長期資金繰りはどうかを見える化する【安全性】

あなたの会社の財務状態はどうでしょうか?営業力も何もかもを統合して評価するのが SPLENDID21 の強みですが、ここでは一般的に「自己資本や長期借入金」にフォーカスした意味での「安全性」について確認していきましょう。

企業の財務状況が安全なのかどうか?真っ先に、もっともよくチェックされるのが「自己資本比率」です。総資産に対して自己資本の割合が多ければ多いほど、会社は安定し潰れにくいと考えることができます。一般的には確かにその通りでしょう。しかし会社の安定を考えるとき、「固定資産および固定負債はどれくらいなのか?」を把握することも重要です。自己資本比率がいくら高くても、設備投資が過剰すぎてキャッシュが皆無、という状況も、可能性としてはあり得ます。

自己資本比率だけでなく長期資金繰りも含めて考慮し、それに関わる数字をすべて統合、一目瞭然に表すことができれば、安心して投資戦略も立てられるというもの。

また逆に、安心できない場合、とても投資できるような状態ではないとしても、その状況を明確に知ることができさえすれば、何かしらの対策が取れます。絶対に避けなくてはならない最悪の事態というのは、倒産することです。とにかく状況を知ることこそ重要です。

ここでは極端な例を挙げてみます。以下、ある企業の安全性に関わる数値をご覧ください。(企業名は表に書いてありますが。)

まずチェックいただきたいのは、固定比率固定長期適合率です。(※クリックで定義を表示できます。)

固定比率は242.31%(2006年)から1113.71(2015年)と、純資産合計の増加をはるかに上回る勢いで、固定資産が増加したことを示しています。この背景には固定資産の増加、店舗や工場への設備投資があります。

その一方、固定長期適合率は94.52%(2006年)から127.88%(2015年)ですので、固定比率ほどは増加していません。これは、固定負債の増加が原因です。ワタミは2014年から当期純利益で赤字を出しており、またここに示す10年間、増資をしていません。つまり長期借入金、社債、リース債務など多くの固定負債、借金により、固定資産(設備投資)を賄っていることがわかります。

これらの現実を、多変量解析にて総合的に算出した「安全性」は、以下の通りです。

ワタミ2006年〜2015年までの安全性評価です

2015年にほぼ底値になってしまっています。安全性は主に資産合計と純資産合計の関係です。この指標を改善しようとすれば、総資産の増加以上に、純資産合計を増やさなければなりません。それには、利益を積み上げること、もしくは増資をすることです。しかし売上高はこの10年で上昇傾向ではあるものの、総資産合計が大きくなる速度に利益が追いつかず、また前述のように増資をしておりません。結果として、総資産合計と純資産合計のバランスが崩れた状態になってしまいました。

以下が、ここまでにご説明した安全性をはじめとして、他指標もすべて統合して算出した「企業力総合評価」を示す経営チャートです。完全に破綻懸念領域に入っています。

ワタミ2006年〜2015年までの経営チャートです

ブラック企業問題により「ワタミ」ブランドが消費者に敬遠され、「ワタミ隠し」などという現象も発生しはじめたのが、この時期です。依然として厳しい状況に変わりはない模様ですが、この10年間の分析を見れば、すべては「売上高至上主義から来るバランスの破綻」だということが明らかです。

売上高の目標は多くの人にとって分かりやすく、明るい希望を感じさせるため、掲げる価値は十分にあります。しかしその裏で経営者は、売上と資産、資産と純資産の関係を理解し、時系列も含めバランスを取らなければなりません。せめて決算ごとに数字を読み、状況を見て、全体のバランスを考えていれば、このような結果にはならなかったはずです。

以上、単なる「資金繰り」では済ませられない、本当は怖い安全性のご説明でした。

⇛常に全体のバランスを知り、先手を打つために。

 

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